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手紙

これまた仲良しのayanちゃんに譲ってもらった小説『手紙』。作者は今をときめく東野圭吾氏、映画化もされ書店でも山積みにされている作品だ。

主人公は貧しい家庭に育った二人の兄弟。両親をなくし、兄は必死になって働くが彼らの人生は厳しい。やがて兄弟愛の強さから兄は強盗殺人を犯し服役することとなる。
兄が服役した後、弟は時に挫折しながらも懸命に一人で生きていこうとあがく。しかしあらゆる局面で「犯罪者の兄」という存在が容赦なく彼の生活に陰を落とすのだ。
そして月に一度獄中から届く手紙。やがてその手紙こそが凶事の根源と感じるようになる弟。
犯罪加害者の家族の苦しみとそれを受け入れることができない社会・・・。

実は私にしては珍しく1/4程度読んだところで挫折しそうになった。読んでいて気分が悪くなるのだ。
重いテーマだとか暗いストーリーだとかそういったことではなく、まるで「理想とはかけ離れた現実があるのだよ」とでもいいたげな感じに胸が悪くなる。
犯罪加害者の家族は世間からつまはじきにされる現実。それを否とするのは理想論であり、身内から犯罪者がでたものは徹底的に社会から排除されるべき。
そんな話の流れにオエっとなった。
しかしオエっとなりながらハタと思った。もしかしてオエっとさせるのが著者の意図なのかもしれない。
醜い現実から目をそらすのではなく、それを見てそりゃ間違っているだろうと思わせる。
頑張っている人は報われて当然なのだ。それを本人とは関係のない要素で攻撃するのはあまりにも理不尽だ。少なくとも私はそんな人間にはなりたくないヨ。
そうだ著者は醜い現実を受け入れろといっているのでは決してない。それゆえにしつこく理不尽な社会を描く傍らで一貫して理想を体現している人物も登場させているのではないかな。

でも。最後の一文を読んでうーんと頭をかかえた。
やっぱり著者は現実を絶望させたいのかなぁ。。
なお文庫本の解説(井上夢人氏)は私とは目線が違うのだが面白いので是非最後まで読んで欲しい。

Posted by jizou at 2007年11月21日 10:45 | Comments (2) | TrackBack(0) | 節約ランキング | このエントリーを含むはてなブックマーク


コメント (2)

私も読みましたが、同じく「重いな~…」というのが一番の感想。それと同時にすごく怖かったです。

一部少々稚拙な設定(田園調布のお嬢様と恋仲になったり、バンドにメジャーデビューのチャンスが訪れたり)が気になって主人公に感情移入まではできなかったのですが、もしも自分が同じように犯罪者の身内という立場に置かれたら・・・・。

不条理だと思っても、避けられない現実があるんだろうなぁと感じざるをえなかったです。あー人って怖い。。

ジゾウ:

---☆ろんぴさん---

ほんと、怖いですよね。
私は身近に犯罪加害者の家族がいたらどう接するだろう?と想像しました。
子供がいるとどうしても神経質になりそうで・・・。

>もしも自分が同じように犯罪者の身内という立場に置かれたら・・・・。

うーん、バックレますね。
でもやっぱり縁を切るというのは難しそうです。
この本のシチュエーションもお兄ちゃんが弟想いだというのが切ないんですよね。

つきつめれば「お金がない」というのがすべての元凶です。これまた切ないというかなんというか・・。

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