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火の粉

犯人に告ぐがとても面白かったので雫井脩介氏の火の粉を購入した。
幻冬舎文庫から出ている本なのできっと面白いのだろうという根拠のない偏見のもと読んでみたのだがやはり期待を裏切らない面白さ。雫井さんってスゴイね。

ストーリーは退役した裁判官家族とその隣人となった元容疑者の間で繰り広げられる。
裁判官から無罪判決をうけた元容疑者はその裁判官に非常な親しみと愛着を感じはじめる。やがて隣人となり、少しずつ彼の家庭へと侵食していくのだがそれにつれて不穏な事件がおき、元裁判官家族はバラバラになってゆく。

二面性のある隣人をテーマにしたサスペンスなら物珍しくない。ところがこの火の粉では家族を守ろうと必死になる妻たちの心情が臨場感あふれるタッチで描かれていてぐいぐい物語にひきこまれるのだ。一方事の発端である元裁判官や息子といった男どもの頼りないこと歯がゆいことといったら・・・。
事件が社会や職場ではなく「家の中」で繰り広げられるといのも主婦の私には身近で余計に恐ろしく感じたのかもしれない。

そしてラスト。
物語冒頭と呼応するように結ばれるストーリーのあざやかさはお見事。物語が拡散せず綺麗に結末に向かって収束していくような感じがする。
こういう話の「キマリ方」が私はすごく好きだし心底格好いいなーと思う。
最後の一文を読んで気持ちよく本を閉じられる、犯罪小説なのにこの読後感の清々しさはなんなのだ!?

ちなみに雫井脩介氏といえば虚貌が傑作なのだとか?
図書館の状況をチェックしたところ在架とのこと。早速借りにゆかねばだ。

Posted by jizou at 2007年12月 3日 14:45 | Comments (0) | TrackBack(0) | 節約ランキング | このエントリーを含むはてなブックマーク


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